石原学長と保健科学部卒業生の懇談会を開催しました
卒業生の前田氏(右下)・岩渕氏(左下)・森山氏(右上)と石原学長(左上)
学長 本日はよろしくお願いします。ではまず、みなさんの自己紹介から。
前田 筑波技術短期大学の鍼灸学科を1999年に卒業した前田です。今は筑波大学附属盲学校で、あんまマッサージ指圧鍼灸の教員をしています。
岩渕 2005年に理学療法学科を卒業した岩渕です。筑波大学附属病院のリハビリテーション部で働いています。
森山 2017年に情報システム学科を卒業した森山です。今は日立産業制御ソリューションズという会社で採用担当として働いています。新卒採用担当として、主に大学生や高専の方を中心に採用活動を行なっています。
森山氏勤務風景
学長 技大に進学した理由やきっかけはなんですか?
岩渕 もともとスポーツに興味があり、スポーツに近い環境で仕事がしたかったからです。理学療法士に進める学科があったことから技大を選び、卒業後もご縁があって、筑波大の大学院のスポーツ医学専攻に進みました。
森山 私は地元の一般高を卒業後、ニュージーランド留学していた時に技大への進学を決めました。帰国後は就職を考えていましたが、障害者向けの求人サイトを見ると、なかなか難しそうで。そんな時に技大の情報システム学科を知り、就職率の高さに関心を持ちました。また、情報保障が整った環境で勉強できる点も良いなと思いました。
学長 就職率の高さが動機で入って、自分は就職したら採用を担当している。人生って面白いねえ。
森山 そうですね(笑)。実はその背景には、先生方が企業と密に連絡を取って、理解を促してくださっていて。採用を担当する側になっても、それはすごく良い体制だと思います。
前田 私は高校まで盲学校で学んでいたので、高校を卒業したらどこか違う所に行きたいと思っていました。でも、一般大学に進んだ視覚障害者の就職は厳しいとか、就職はできても会社できることは限られてくる、といった話を聞いて。また、あんまやマッサージ、鍼灸の仕事に就いた先輩の話を聞くと、みんなちゃんと自立して、普通に生活をしている。やっぱり手に職をつけておいた方が良いんだなと考えて技大を選びました。また、見学時に、当時では珍しいパソコンが何十台も並んでいたり、図書館には蔵書の検索システムがあったりなど、最新の技術を備えた環境を目の当たりにして、技術短期大学への入学を決めました。
学長 その時にはもう、盲学校の教員になろうという目標はあったのかな?
前田 鍼灸学科の先生に鍼を打ってもらったら腰が治ったとか、友だちもすごく症状が良くなったとか、事例を聞き、体感する中で鍼やあんまが面白いと思うようになりました。たぶん、学生の中には「この職業が好きだ」とか「この仕事をやりたい」といった動機で来ていない人も多いと思っていたので、そんな人たちに自分のように何か実感させてあげられたらと、盲学校の教員を選択しました。
前田氏勤務風景
学長 新型コロナウイルスの影響で、働き方にはどんな変化がありましたか?
前田 3月の政府からの休校要請を受けて、5月までは私の勤める学校も全面的に休校となりました。その間はZoomなどを使ってオンライン授業を行ったり、メールで教材を提供したりして授業を進めていました。6月から授業が全面的に再開されて、丸一日のスケジュールで授業を行なっています。ただ、不安を抱える学生もいますので、自宅からオンラインで授業を受けられる環境も整えています。学生たちが例年と同じように学んで卒業してできるように頑張っているところです。
岩渕 仕事のやり方はやはり変わってきました。特に外来の患者さんの扱い方が大きく変わりましたね。もともとリハビリは、2・3割を外来で対応していましたが、現在は1割に満たないくらいまでセーブして対応しています。今後は入院時に、抗体検査に加えてPCR検査を行います。
森山 私は3月末からテレワークになり、一度も出社していません。採用活動は3月に広報解禁になりましたが、説明会もWebでの実施となり、面接についても対面では一切行なっていない状況です。